大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)3142 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

論旨は、被告人は原判示の犯行をする意思もなく判示A方には足を一歩もふみ入

れていない、その他原判決の認定は事実誤認であり、被告人らが事件現場に行つた

動機は報復、喧嘩又は応援の為めではなく合法的に同胞を救出するためであつたの

に、警察官、第一、二審検察官、裁判官が一方的判断と民族的差別の下に弾圧をや

り事実乃至証拠をデツチ上げたものであるというが、第一審判決摘示の証拠によれ

ば同判決認定にかかる被告人のA方住居への不法侵入、共同正犯としての傷害の犯

行その他の事実を認定するに十分であつて(就中被告人が判示の日時場所でAを丸

椅子で殴つた事実については公判廷における証人Bの証言、裁判官の面前における

C、D、Eの各供述調書を綜合すれば明瞭である)、被告人が現場に行つた動機が

所論の如きものであつたことは第一審判決の認めないところであり、記録を見ても

所論のような一方的判断、差別的処遇、弾圧、デツチ上げがあつたことは認められ

ない。第一審判決を肯認した原判決には何ら事実の誤認はない。又、検察官が被告

人に有利な供述を調書に記載することを拒否したこと、又、被告人が動機について

陳述すると裁判長が「そんな理くつは聞きたくない云々」といつたことの主張は原

審でなされず、その判断を経ていない。所論中憲法違反をいう部分はその実質は単

なる法律違反の主張に過ぎない。論旨はすべて上告適法の理由とならない。

弁護人松井佐の上告趣意について。

第一点は違憲をいうがその実質は事実誤認の主張であり、第二点は量刑不当の主

張であつていずれも上告適法の理由とならない。

弁護人諫山博の上告趣意について。

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第一点は事実誤認、第二点は量刑不当の主張であつていずれも上告適法の理由と

ならない。

また記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同法四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和三〇年一〇月一一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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